集団でマンモスを狩る原始人のモデル

協調問題とマイノリティゲームを組み合わせる試行として、集団でマンモスを狩って生計を立てている原始人をモデル化してみる。

協調問題としてのマンモス狩り
狩りに参加する原始人が多いほど、狩りに成功する可能性は高まる。原始人の狩りに参加する意欲に対して、正のフィードバック。
マイノリティゲームとしてのマンモス狩り
狩りに参加する原始人が少ないほど、分配されるマンモスの肉は多くなる。原始人の狩りに参加する意欲に対して、負のフィードバック。

マンモス狩りのルール

  • 個々の原始人ごとに、マンモス狩りに参加するか否かを選択する。
  • 狩りに参加した原始人は、それぞれ一本ずつの槍をマンモスに投げる。
    投げた槍は、当たる場合と外れる場合がある。
  • 一定数以上の槍がマンモスに当たれば狩りに成功し、マンモスの肉を得られる。
    一定数当たらなければ狩りは失敗となり、マンモスの肉は得られない。
マンモス狩りに参加した場合の結果
  • 狩りの成否にかかわらず、一定の体力を消費する。
  • 得られたマンモスの肉は、狩りの参加者で等分配して食べる。その量に比例して体力が増える。
    • 参加人数が多ければ狩りに成功する可能性は高くなるが、分配される肉は少なくなる。
    • 参加人数が少なければ狩りに成功する可能性は低くなるが、分配される肉は多くなる。
    • 狩りに失敗すれば、マンモスの肉は得られない。
マンモス狩りに不参加だった場合の結果
  • 体力の消費は新陳代謝の微量だけ。
  • マンモスの肉は得られない。

マンモス狩りの結果の分類

  1. 狩りに参加して成功し、狩りの前より体力が増加した。
    最良の結果だが、一人の原始人だけではこの結果を選択できない。
  2. 狩りに不参加で、狩りの前よりわずかに体力が減少した。
    一人の原始人だけで選択できる最良の結果だが、この結果だけではいずれ体力がなくなる。
  3. 狩りに参加して成功したが、狩りの前より体力が減少した。
    狩りに成功して分配される肉より、狩りで消費する体力が多ければ、結局は損となる。
  4. 狩りに参加したが失敗し、狩りの前より著しく体力が減少した。
    最悪の結果。

マンモス狩りの戦略

個々の原始人がマンモス狩りに参加するか否かを決定するには、狩りの成否と分配される肉の量を予測する必要がある。そのために個々の原始人は以下の変数について検討する。

  • 狩りに参加する原始人の数。
  • 狩りに参加した場合に消費する体力の量。
  • 狩りに不参加だった場合に消費する体力の量。
  • 狩りに成功する槍の命中本数。
  • 一人の原始人が投げた槍の当たる確率。
  • 狩りに成功した場合に得られるマンモス肉の総量。

簡略化のために「狩りに参加する原始人の数」以外を原始人全員で共有する定数にしたとして、個々の原始人は「狩りに参加する原始人の数」をどうやって予測するのか?